車を降りて、集合して大きな声で挨拶をする。
「よし!いつも通りな!いけ!」
のよっしー先生の一言と共に、
厩舎へ駆けだす子どもたち。
いい光景です。
さっそく馬たちとハグをし、
みんなでボロ取り(うんちのお掃除)をはじめます。
チームとかリーダーとか自分たちで決めて、自発的に動きます。
そして、相変わらずボロ取りの早いこと早いこと。
みんなでやると早いね、楽しいね。
やるねぇ!
馬を厩舎から出し、
外の草を食べさせてあげている時、
「よーし、今日は馬を連れて海に行こう!」
の声に、みんな、
「いえーい!ひゃっほーい!」
と大喜び。
でも、待ちな。
とっても怖いぜぇ。
足踏まれたらどうなるかなぁ?
力づくでひきづられるよ?
どうなるかな?
一人ずつ交代で綱を引っぱり、
公道を通り海へ向かいます。
車も来るよ、人も通るよ、馬は草を食べようと力づくで動くよ。
だからこそ、さぁ、伝えろ。
腰を据えて、腹から「こっちだ!」と伝えるんだ。
全身全霊で想いを念を伝えろ。それは伝わるから。信じろ。
目に見えないものを見て、殺気を感じて、
あ、今一つになってる、伝わってる、という愛の瞬間を感じるんだ。
道すがら、転んだり、言うこと聞かずに嫌になったり、
一生懸命車をよけたり、叩いて伝えたり、
いいよ。とってもいい体験だ。
馬と一緒に歩く前と後で何が変わった?
自分の中の何かが動いたはずだ。それを感じるんだ。
世界とつながる何かを感じるんだ。
海に出て、馬とはしゃぎ、もう一度それぞれが馬と二人で歩く帰り道では、みんな慣れたもんだね。
でも、少しの緊張と共に心地よいその何かを感じよう。
さぁ、今日も終わるよ。貴重な時間が終わるよ。
じっくりと感じよう。
その怖さの先にある、緊張感の裏側にある、
ヤバい!もう逃げたい!
なんで思い通りにならないの??
もっとさぁ、、、
いろんな感情が湧きあがり、言葉で行動で伝えたね。
そして、みんな、なんとかなった。
そこにあるその感動を大切に。
これからの人生、何度もそういう時が訪れる。
テストで受かりたい時かもしれない。
試合で負けたくない時かもしれない。
好きな人に好きを伝える瞬間かもしれない。
本当の怖さと向き合った時、
それは勝利に向かう狼煙が上がった瞬間だ。
大丈夫。君ならその先にいける。
そして、その先でしか感じることのない感動や喜びに君たちはいける。
その準備がある。
勇気一つを胸に抱け。
本当の怖さを知ることは、本当の喜びに近づいたということだ。
今のうちにびびって、固まり、その先に行け。
さすれば、君たちの人生は明るい。
今回も素敵な時間だったね。
馬よ、ありがとう。
佐藤由明