ごうごうと風がなり、雨がバチバチとトタン屋根を叩く。
馬房の中、トタン屋根の下には、じっと穴の外を見るサクラがいて、 馬房から顔を出して、耳を立て、様子をうかがう馬が多い中、 一頭だけ、ぐるぐる回る。
そこに、 「うわぁ、雷、やべぇ、雨、音するね、へへ。」 って笑いながら、ぐるぐる馬房の中を回るポテコかオハナのどっちか、 もはやその記憶はどちらの馬でもよくて、
感謝を伝えたくて、 なにがって、
そこにたたずむヨッシー先生の安心感。
そして回り終える馬の安心具合。
すごいなぁ、みんな見た? 相変わらず雨はトタン屋根を叩き、雷は光と音。 あれ?
風の回る具合と、ポテコの回る具合の、あれ、、同じじゃないか?
って俺が思ったのもつかの間、 いやぁ、空を見ても、緑の揺れの間を見ても、 なんか安心しとったよ。
ね。
みんな。
いのちはすげえなぁ。
かみなりはやっぱどんだけ時がたってもこえぇなぁ。
俺はサクラとナギサと、 こころのゆれかた、 そこに、いっしょのうごきをみつけては、
ちょっと喜びながら、光ったら、ヒヤッとして、 左足のすねは昨日のキャンプにて、ブヨに刺された3つの傷が、 かゆいんだ。 かゆいんだよ、怖い中。さ。
不思議だね。 で、馬のこと多分俺より大好きな今村コーチは、 大好きな馬に右手?左手?を舐められてキャハキャハ喜んでたら、
「あれ、蚊じゃないぞ、これ、、 あれ、あ、じんましん出てきた。」
ってすごいおもしろいら? たくさん笑ったよ。
はらからわらったよ。笑
世界はおもしろい。
直樹さんの愛がこれだけあって、 愛しても身体が反応しちゃうんだもん。
いのちだもん。 時々怖いけど、時々笑いながら、 みんなと雨を避けて集まって、 「馬の1歳は、人間の4歳だぞ!」
と掛け算をしながら、 「36歳!わ!俺とオハナ、同じ年だ!」 なんてげらげらわらって、 馬のボロ捨てながら、また、ピカピカッと光って。
ぎょっとして。 最後は、風を見ながら、みんなで黙って、感じて祈る。 それぞれなにかを祈った。かな。
馬はいつもどおり、おいしそうにご飯を食べてた。
「向こう側は晴れとるね、あれ、風はどっちに吹いとる?」 さぁ、馬房から、いつもの坂を上って、いつもの基地の席に座る。
さあ、ワクワクな話をしよう。
時は再来週ぐらいの8月8日、9日。
うまなび初めてのキャンプの話をみんなでする。 雨宿りの中、笑いが絶えなかったね。 馬の上で寝てみたい。 みんなで馬の上で三浦海岸の花火大会を見よう。 海にも入るさや。 タンドラのしっぽ掴んで、海の中をサーフィンしような。
馬房で、馬の隣でテントで寝よう。 馬は目をつぶって寝るのかな? 白目むくのかな? 座る? 立ったまま寝るの? 俺はカレー食べて、みんなでわらって歌いたいな。
持ち物は、まくらと強い水鉄砲。
ヨッシー先生は、一万円以上するつええのをamazonで買ったらしいぞ。
さぁ、闘え!戦え! 裸でダンスしよ、まくら投げながら、ボロを投げながら。
俺は、詩を読むよ。夜、だいぶ酔って気持ちよくなって。 みんなが一度眠くなる頃、叫ぶでな。
俺の心は俺のものだ! って叫ぶでな。
今からよろしく。
親御さまも、よろしくお願い申し上げます。
みんなで、デスペラードとか歌いたいな。
なにがうたいたいだぁー!? って聴いて、 ひまわりの約束歌っちゃうかな。
どうして〜? って俺が一番でかい声で歌っちゃうなぁ。
やんややんや楽しいな。
みんなで火を囲んで、 幸せだなぁ、生きとってよかったな。
いのちだもんなぁ。
って歌お。
あぁ、楽しみだな。
みんながやりたいって言っとった、 みんなで馬を胴上げしような。
できるかや? 楽しみだなぁ。
どんな夜になるのかな。
飲みたいなぁ。
ありがとう、みんな。
愛しとるよ。
佐藤由明