「はろ~、さとうせんせいひさしぶりですー」
久しぶりだな。
「来週のねどこ、手に入れたよ。あおとむらさきでかっこいいんだ。」
「はい、みんなならんでー!ピシッとバーッと!はい、おじゃまします!」
久しぶりに会うと、歩きながらの何気ない会話の中の言葉の種類や、
言葉の組み合わせの新鮮さに驚く。
それは、同時に元気をもらうことに等しく、
おぉ、うれしいなぁ、一緒におるとたのしいなぁ、と改めて思う。
夏の夕下がり、
神社で鬼ごっこをして、走り回り、
松ぼっくりを投げ合い、手と手でタッチを繰り返し、
「じかんだー!海に行くぞー!」
と海に行く。
石で水切り大会をして、そうたろうが優勝する。
ハイタッチもつかの間、
「わっ!じかんがない!かえるぞー!」
海からホームへの道すがら聴く話は、
かれらの人生が色づいている報告であり、
得意げな顔と恥ずかしげな顔が入り混じったり、
「?」がこころに浮かんだ時の瞳は、本当に美しい。
「ちょっと旅に出てくるで、文通しよう。どっかの国に送って。」
しばらく旅の中で、仕事をしてくるよ。
みんなも元気でな、未来に向かって手紙を書いてくれ。
俺も返すのが、楽しみだで。
時間の濃密さは、意識の濃密さ。
つまりは、いかにフレッシュなものと向き合って、
自分のフレッシュさを保つか、にあると思う。
「濃くあれば、若くある。」と思う。
みんなからもらうエキスを、
ロマンティックに返していくのが、
先を生きるものの役目かなと。
かっこつけたいもんね。
かっこいいなぁ、って思ってもらいたいし、
ああいうやつになりたいって奴になりたい。
手紙をかわそう。
こころをかわそう。
離れんとできんことしよう。
じゃ、また会おうな。
年末ぐらいかな。
みんなおっきくなっとるよな。
俺もこころを大きくしてくるよ。