今回は「聴く」をテーマに時間を過ごしました。
ただ音を聞くというより、耳を立てて心をまっすぐにして「聴」く、です。
お腹がいっぱいだと何も食べ物が入らない、または入れたくありません。
同様に、自分の内側が音でいっぱいだと何も入って来ず、聴けません。外の音を中に入れて聴くには、自分の内に空っぽな静けさが必要です。
はじめに、空間に優しく消えゆくような7弦キンダーハープの音を聴いてみました。静かにしないと、音は聴けません。またギターの弦もはじいてみて、何が違うのかお互い話したりました。
南部鉄器風鈴、インドのベル、チベットのシンギングボウルなど金属音、それから木製の音も聴いてみました。他にも紙を振った時の音、紙コップの音、松ぼっくりが机に転がる音。
シンギングボウルは、鳴らしている時に触れるとビリビリビリと振動が伝わります。
水を入れてみたら良いんじゃない?というので実際入れてみると、水面に規則正しい模様が現れました。なるほどわかりやすい。(振動と音は別だよという話はまたの機会に)
さて聴いた音を描いてみる提案をしました。
音を出すものを描くのではなく、音そのものを描きます。音を描くには静かに聴かないと描けないので、描くことは聴くこととも言えます。
紙とオイルパステルを持って、神社へ。
鳥居で止まり、お願いしますと挨拶をし、中へ。
おのおの、描いてみたい音を探して歩いて、座ります。何枚描いても良いことにしたので、2枚の子も8枚の子もいました。
ありがとうございましたと挨拶をして、神社から戻り、最後に音の絵を製本します。
硬い表紙をつけて製本テープをつけ、表紙には本のタイトルや日付、名前を書いたり絵を描いたりして、音の図鑑の完成です。
聴く時の自分の中の静けさは、自分自身の他の感覚に「聴き入る(感じ入る)」ための基盤だと思います。子どもたちに静寂を作ってあげることは、音に溢れる生活環境の中で、大人の大切な仕事です。
来月、また代講します。