海好きな人ー? はーい! カレー好きな人ー? はーい! ともだちが好きな人ー?
はいはいはーい!
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夕陽に向かい歩く道すがら、 拾った棒を譲ったり奪ったり、
素直に感情をぶつけ繰り返しながら、歩く。
いつから人は好きなものや嫌いなものが曖昧になり、
自分の大切なものを堂々と伝えることを濁していってしまうのだろう?
自分を主張することとワガママは違う。
彼らが教えてくれることは、 人間が気持ち良く純度高く生きるために、 自分のあたりまえを大切にするヒント。
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年齢を重ね、自分と向き合うことから離れてしまった大人たちは、
もっと子どもと触れたらいいと思う。
自分が自分になるために。
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夕陽を描くのは難しいね。
どこまでが夕陽なんかな? 眩しすぎてどこまでが世界なのかわかんないね。
さぁ 広い宇宙へ飛ぼう。
今日も旅をしよう。
宇宙へ行きたいかー?
はいはいおーう!行くー!わえおー!うおー! 俺、オーロラー!
俺、チェコー! 俺、マチュピチュー!
俺、これなにー?
知らないことがあるってのは、嬉しいことだね。 楽しいね。
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「先生、今から行こうよ、なんで行けないの?」
と授業の終わりに涙を流す生徒の姿に、 彼の本気の姿を少し羨ましく感じ、
そうだよな、てきとうに飛行機が、とか、今日は帰らんと、とか、 曖昧な「無理だ」ということもできず、 何も答えられず、みんなで葛藤しました。
現実を生きようと、 でも、現実の中で、 いつでも、行きたいと思った時に、行きたいところへ行けるように、と、
生きとるはずだろう、という葛藤を教えてもらいました。
僕はそう思って生きていながら、自分の言葉を、伝えられる何か、を持ち合わせていませんでした。
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仕事をただこなすだけでは得られない大きな葛藤です。
自分の生き方をどこに導くか?
彼らの本気で一瞬を生きる素直な姿に、 教えられることばかりです。 教えることは学ぶことに等し。
等しいのかな?
こちらがもらってばかりだな、と考えさせられる有意義な時間です。
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佐藤由明