TIDE POOL 葉山の公式ブログ

2020.11.26 UP
World of the Forest part3・Forest Story Time / 森のせかい part3・森のお話会
今日も「森のせかい」を感じる時間を子ども達と星山の森でつくりました。



子ども達と木や枝葉を集めて、焚火をつくり、私の畑で今年育った紫芋を焚火で温めて食べながら、火を囲んで輪になって森のお話会をはじめました。



この日「森」をテーマに出逢えた本は、アラスカの自然と野生動物、人々の暮らしをテーマに撮影活動をした写真家・詩人星野道夫さんの「森へ」(福音館書店)という本でした。



星野さんの森への入口は、霧に包まれた朝の海から入る、遠いアラスカの原生林。静かな森に響くハクトウワシのピロロロロ・・・と鳴く声、海面にポチャンと飛び上がるのはサケ、霧の中からスーッと現れた黒い影はザトウクジラ。。。星山の森と葉山の海とはまたスケールの異なる世界への入口を感じながらページをめくります。



星野さんの森の写真は焚火の炎とランプの灯りに照らされて、お話は深い森の中へ。アラスカの森の大きな巨木や苔に覆われた地面。そこに星野さんはクマの道を見つけ、それをたどりながら森へと入っていきます。最初は少し不安がありながらも、心が静まるにつれ森のやさしさを感じていきます。子ども達も、はじめはちょっとドキドキしながらも、焚火の炎と森のやさしい風を感じながら、だんだん気持ちが落ち着き、この本の森の世界に入ってきてくれるのを感じました。



更に深く森へと入っていくと、水の音が聞こえてきて、星野さんは川に出ます。水を飲もうと水面に近づくと、川には産卵のために川を上ってきたサケの大群がいました。ふと気がつくと、クロクマがあちこちに!その時、森の川はサケを食べにくるクマの世界でした。産卵を終えたサケが森に栄養を与えます。星野さんはその場をそっと離れます。



その森の奥には100年ほど前にアラスカに住んでいたインディアンが残したトーテムポールがありました。でももうこの森には人は住んではいません。人間がいなくなり、自然が少しずつその場所を取り戻してゆく風景がやさしい小鹿の姿とともに映されていました。

ちょっと長いお話だったので、途中までになるかな?と最初は思ったのですが、子ども達はずっと静かに聞き入ってくれて、最後までお話しを読むことができて驚きました。



「森の中でこうして森のお話を聞けたのがとても良かった」
「木の枝にもたれて昼寝している子グマの姿が可愛かった」
「みんなで焚火をつくれたのが楽しかった」
「お芋が紫色でびっくりした」

などみんなで感想をシェアし合いお話会を終えました。
星山の森で、星野さんの写真とお話を通してアラスカの奥深くの森を感じたちょっと神秘的な時間でした。

森の世界は回を重ねるごとに深まっていきます。
来週はタイドプールの教室で森のせかいをふりかえります。

明子&フィリップ


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