TIDE POOL 葉山の公式ブログ

2021.07.16 UP
はじめまして◉ 地球から火星へ手紙を書こう◉
今日から「せかいクラス」の講師に加わりました、井本ゆきです。
昨年、フィリップ先生の逗子でのアート展示にふと立ち寄ったときに、フィリップ先生&あきこ先生と出会い、お友達になりました。お二人が新天地へお引っ越しされるタイミングで、私が「せかいクラス」の担当を引き継ぐことになりました。

今回、担当させていただくにあたり、新たな取り組みを直樹コーチに提案してみました。
私は普段、大学で文化人類学を教えていて、フィールドワークを通して世界・日本の様々なコミュニティの文化を学ぶゼミを開いています。そこで、ゼミを受講している大学3年生たちと一緒に「せかいクラス」を担当してみたいと考えました。子どもたちと共に学び、ときには都会っ子の大学生たちが葉山の自然に親しんでいる子どもたちから学び、お互いのせかいを拡げていけるような機会をつくっていけないかと考えました。大学生は、先生でもなく生徒でもなく、子どもたちにとっては「ナナメの関係」の存在になれるかもしれません。

夏のあいだ、「せかいクラス」の第2・第4水曜日には、大学生がクラスを担当します。どのような出会いと学びと化学反応が起こるか、ワクワクしています。

今日は、まず私(ゆき先生)と大学3年生のれいごくんがクラスを担当しました。

あきこ先生が最初に、私たちを紹介してくださいました。



れいごくんが大学生だとわかると「えーっ」とテンションが上がります。れいごくんが、マレーシアの狩猟採集民プナンと過ごした時の写真を見せてくれると、みんな興味津々に質問をしていました。自分たちの手でイノシシを捕まえて、食べるのだそう!

ゆき先生とれいごくんの紹介の次は、読書タイム。

今日は、私がイギリスに住んでいた小学校6年生の頃に、現地の小学校で書いた作文がもとになっている絵本を読みました。日本語で『地球からの手紙』というタイトルで出版された、仲條正義さんの鮮やかな版画絵が印象に残る絵本です。


火星から派遣され、地球を視察に来ているマーサー査察官が、火星の大統領に手紙を書いています。




「火星はとても美しいけれど、傷ついてしまっているようだ。」
「森林は伐採され、動物は住むばしょをなくし、絶滅してしまった種もいる。そのうえ、人間同士も戦争で殺し合っている。」
「地球が涙しているようだ。」

火星の査察官は地球が今のままでは滅びてしまうと危惧し、人間が愚かなことをこれ以上行わないためにも、火星が地球を支配するべきだと提案します。そして人間が地球と調和的に生きるようになれたときに、set free - 手放しましょう - と提案します。

地球から、そのような内容の手紙を、火星人の査察官が自分の故郷の星に送ったのです。

・・・・・・

はじめはゴロゴロしたり、じゃれあったりしていた子たちも、
段々と火星人のメッセージが聞こえてきて、
後半、みんなとっても静かに、集中して聞いていました。

どうしたら地球が美しさを保って、滅びずに、支配もされずに、生き生きと輝けるのだろう?
みんなで方法を少し考えました。
TIDEPOOLでは、植物をお庭に植えたり、リサイクルはもちろん、コンポストもつくったりしていることを教えてもらいました。

・・・・・・



本のお話を静かに聞いた後は、子どもたちの意見を聞いて、ちょっと身体を動かそう!と、外に出ました。れいごくんが得意なサッカーをしよう!
グッパーでチーム分けをして、思いっきり遊びました。たくさん笑って、叫んで、泣いて。。女の子にボールが当たってしまって、すぐに「ごめんね」と声をかけにいったKくん、かっこよかったです。自分の心地よいペースを大切にして縁側でみんなの様子を見ていて、ときどき入ったり出たりしていたJくんも、ステキだね。HちゃんとAちゃんのボールを追う粘り強さもすごいなぁ。



サッカーで元気いっぱいに発散した後、中に戻って、みんなスッと、お絵かきモードへ。



火星から派遣されて、地球を査察に来てみると、どんな地球が火星人の目に映るでしょうか。
火星人もびっくりしてしまう地球の豊かな美しさを、一人一人表現してみました。

美しい海と色鮮やかな貝たちが生息する海岸の様子を伝える絵手紙や、
緑と青、そして街の光をあらわす黄色や、多様な色合いをふくむ地球の姿を伝える絵手紙。
UFOや火星人や、女の子、男の子、植物と土壌、富士山、犬、道路、マクドナルド、太陽、水星、いのち、、。
地球と地球と共存するものたちの、いろいろな様子が豊かな視点で描かれていました。
一人一人が絵をみんなに見せて発表してくれて、
みんなの感性の世界がきらきら響きあっていました。
「共生」というキーワードが私の中で出てきていました。




これから「せかいクラス」で、
子どもたちの自由な表現欲とキラキラな好奇心がますます育まれるように、
ゼミ生と一緒に楽しい場をつくっていきたいと思います。













See you again soon!

Yuki
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