こんにちは!今回は、井本由紀先生のゼミに所属しております慶應義塾大学の田中、長井、吉賀の合計3名で対面授業を担当致しました。
今回は、“自分と他者における違いに気づく”をテーマに、“ゼロの状態のものに新しい何かを見出す”ワークを実践しました。
まずは外に出て、1人1つ、“お気に入り”の何かを探してもらいました。
種類、色、大きさが様々で、“ときめきを感じるもの”は人それぞれ全く異なることを実感しました。
お気に入りのものとして、自分の納得が行くものが見つかるまで何度も探し直してくれた子もいました。
私がお気に入りのものが見つからず困っていると、自分の見つけたお気に入りのものをくれた子もいました。
1人1つお気に入りのものを見つけることができたら、TIDEPOOLに帰り、ワーク開始!
私たちから子どもたちにこのような質問をしてみました。
「自分のお気に入りのものはどんな名前を持っているかな?」
「どんな性格?」
「趣味は?」
「特技は?」
「最近起きた嬉しかったことはどんなことだろう?」
「将来の夢は?」
みんな、自分の拾ってきたお気に入りのものをまじまじと見つめて、考えてくれました。
あっという間に決まる子もいれば、なかなか名前が思い浮かばず苦戦する子も…。
名前から将来の夢まで一通り考えることができた子のお気に入りのものを使って、もう1度同じワークをしました。
その子の拾ってきてくれたお気に入りのものは...大きな流木。
自分が拾ってきたお気に入りのものとは全く異なるそれを見つめて、改めてみんなで同じことを考えてみます。
「どんな名前を持っているかな?」
「どんな性格?」
「趣味は?」
「特技は?」
「最近起きた嬉しかったことはどんなことだろう?」
「将来の夢は?」
名前をミドルネームも含めて考えてくれた子もいれば、聞き覚えのあるシンプルなもので考えてくれた子も。
「性格はのんびりしてそう!」という声があがる一方、
「趣味は戦うこと!」という声も…。
全く同じものを目の前にした時、人によって見え方は全く異なるのだな…とふと感じさせられました。
また、子どもと大人とでは、“感じて、考えたことを言葉にして伝える”という工程において、大きな差異があることに気づかされました。
実はこのワークをTIDEPOOLで実践する前に、ゼミ生10人程で行ったのですが、その時は1人あたりアウトプットにかかる時間は10秒ほどで、“ゼロの状態のものに新しい何かを見出す”というワークはあっという間に終わってしまいました。
しかし、子どもたちの中には、
「自分のお気に入りのものに名前をつけるのが難しい…」
「名前よりも先に他の項目を決めるのは違う気がする…」
大人である大学生がある種の大喜利のような形で“感覚的に”決めていったのとはまるで異なっていたのです。
“自分の納得がいく答えが見つかるまで、時間をかけて考え続ける”
そんな大事なことを一生懸命考えてくれた子の姿から教わった気がしました。
今回のワークは、子どもたちにとって、“自分と他者における違い”について少しでも感じる機会になっていればなと思います。
1人1人、“お気に入り”と感じるものは全く異なり、
全く同じものを目の前にしても、感じ方や捉え方は人それぞれ。
自分の答えにどれほどの納得感を求めるのかということにも確かな違いが見られました。
様々な人が共存し、多様性に対する寛容さが求められる現代社会で、“自分と他者における違い”に惑わされず、互いに“違い”を受け入れることができるならば、この社会は自分にとっても、他者にとっても、もっともっと生きやすくなるのではないかと思います。
このワークを通じて、
いつも一緒にいるあの子が、
今日初めて出会ったあの子が、
自分とは異なる感じ方、考え方、捉え方をしていたとしても、その1つ1つを受け入れることの大切さを子どもたちに少しでも感じてもらえればなと思います。