こんにちは!今回は、井本由紀先生のゼミに所属しております慶應義塾大学の深瀬、古川、吉賀の合計3名で対面授業を担当致しました。
今回は、“「いただきます」という言葉について考える”をテーマに、日本を始め、様々な国で食事の前に用いられる言葉に触れたり、「いただきます」という言葉の由来について考えたりするワークを実践しました。
まずは「いただきます」という言葉をより捉えやすくするためにみんなでおやつを食べました。
私たちが用意したのは、ドライマンゴー、チーズ、チョコレート。
みんなで協力しながら、一人一人同じ量を食べられるように均等に分けてくれました。
準備が整ったら、みんなで「いただきます」の言葉と共に食べ始めました。
みんな美味しそうに食べてくれました。中でもドライマンゴーは好評でした。
食べ終わったところでワーク開始!
私たちから子どもたちにこのような質問をしてみます。
「さっき、みんな食べる前に『いただきます』って言っていたと思うんだけど、どんな相手に向けて言ったのかな?」
「いただきます」の相手について考え、思い浮かんだものを絵に描いてもらいます。
思い思いに「いただきます」の相手を描いてくれました。
工場で働いている人
隣にいた私たち大学生と幽霊
家、ファミレス、良いお店...と場合分けして、それぞれにおいて思い浮かんだ相手を文字で沢山描いてくれた子もいました。
思い浮かんだ“相手”は人それぞれ全く異なります。
一通りみんなが絵を描けたところで、今度は私たちから子どもたちにこのような質問をしてみます。
「外国では食事の前にどんな言葉を言うのかな?」
「アメリカでは『Let’s eat ! 』と言うけど、これはどんな意味かな?」
これは知ってる子が多かったです。
「イタリアでは『Buon appetito』と言うけど、これはどんな意味かな?」
イタリアに住んでいた子が知っていて、綺麗に発音してくれました。
韓国、中国についても同様に聞いてみます。
外国の食事の前の言葉について考えてみると、「いただきます」という意味の言葉を用いるのは日本特有の文化であることが見えてきます。
そこで、今度はこのような質問をしてみます。
「日本ならではの『いただきます』という言葉はどんな由来があって生まれたのかな?」
これはみんな難しそうでした…。
「昔は、山の頂に稲作の神様が宿ると考えられていて、『いただきます』は稲作の神様への感謝を表す言葉として使われていたんだって。」
と説明すると、
「じゃあみんなが描いた絵で1番近いのは幽霊なんだね」
と気づいて言ってくれた子がいました。
神様と幽霊を近しい存在として結びつけることができるのは面白い視点だなと思いました。
私たちが普段当たり前に使っている「いただきます」という言葉。
この言葉は外国にはない日本特有のものであり、元々は感謝の気持ちから生まれました。
「いただきます」の相手をじっくり考えてみると、沢山の人や動物、物が思い浮かび、私たちが普段当たり前に親しんでいる“食”はそれだけ沢山の繋がりを持っていることに気づけます。
今回のワークを通じて、子どもたちが今後何かを食べる際に、日本ならではの「いただきます」という言葉を用いるのと同時に、“目の前の食べ物がどんな過程を経て、今、ここに至るのか”ということについて今までよりも広がりをもって考えることができればなと思います。