TIDE POOL 葉山の公式ブログ

2018.08.13 UP
「いのちを信じるからこその未来」
人間同士が生きていく中で、こころの葛藤はつきません。
人間関係でも愛があればこそ「信じるとはなにか」を考えさせられる日々です。

感情に善悪をつけず、評価をせず、直視しよう。
そう、観察しよう。

思い込みという幻を、おおきな自然とおおきな馬を前に溶かそう。
少しの恐怖と勇気の間で、現実を生きよう。
己の内側に潜り、すべてとつながっていることを感じ、感動しよう。

さぁ、遊ぼう。

馬とともに、ワクワクと不思議がいっぱいのサマーキャンプだ!!

人間を、馬を、いのちを信じよう。
されば、未来はたのしく、明るい。

我ら大人は、生きている子どもたちのいのちの力を信じ、その場に在る。のみ。

楽しもう。緊張しよう。つながろう。

今回も、台風の中、自然を前に、
みんな自分たちで考え、柔軟にたのしみました。

あいさつをしっかりし、馬房の掃除にはじまり、海馬っ!!
プロのJRAのおにいさまたちの力もお借りし、
安心感抜群の馬との遊び。ダイナミック。

馬を洗い、馬に乗って、自然にふらふらと。
乗るぞってかんじじゃなくて、はいはーい、ぴょぴょっとのるあたり、
土に木が生えるような、なじみ方をしてきたなぁ、と。

曳き馬をして、草むしり。
馬は草をムシャムシャ、その横で女の子がちょこんと座り、石をコロコロ。
踊って歌って、それぞれの時間。
おぉ、「道草」ってのを感じたり。

人と馬の女の子同士、たてがみを三つ編みにして、リボンをつけてあげたり、
長いしっぽはフィッシュボーンスペシャルに!!

なじんどるなぁ。

年齢を経た子どもたちのスイカ投げをしたり、
夜の馬にスイカをあげたり、
手のひらに乗せたスイカをハブッと食べるポテコのあの唇の感触が一番の発見だったり、、

カレーにサンドイッチ、お菓子交換に、特製寝袋、
楽しいことは盛りだくさんです。

そん中で、1つの象徴的なエピソードを。

馬を洗っている際に、足の親指の先をちょっと踏まれた男子がいました。
大事には至らず、ほっとしたのですが、ストーリーはここからです。

2日目、すべてのプログラムを終え、最後の振り返りの時間。
ケガをした、しげが言いました。

「踏まれた時、痛かったけど、その後は、距離が近くなったよ。」
「おぉ、なんで?」
「わからないけど。」

3年前、同じように馬に踏まれて、一時期は怖くなりましたが、
その後、すごく馬との距離が近づき、今ではサクラが大好きでたまらない、みんなの先輩がいます。

その先輩に、「なんで?」と聴いても「わからない。」と。

わからない。はすばらしいよね。
わからんまんまでいいよね。

ケガは痛いです。
でも、しげが足を踏まれた夜、
まっさきにスイカを持ってポテコと仲直りしに行ったり、
朝、馬房掃除を最後までやる彼のこころの動き、
そういった変化や姿勢を目の当たりにすると、こころが震えます。

ケガは体験だと感じます。

踏んだ相手への敬意が増し、愛が増す。

なんか不思議だけど、なんかわかるような気がします。

わかったつもりにならずに。まっすぐ現実を観る。観察する。
その中で生まれた不思議を楽しむ。

キャンプ後、スタッフがしげのお母さんに経緯を伝えたところ、

「なんでそうなったんだろ〜!?」と不思議がり安心してくださったようです。

ありがとうございます。

まさに、不思議と安心がいのちのつながりにはあります。

いのちのつながりへのありがたみは、
馬、草、ボロ(うんこ)、人、場、雨、風、食物、植物、
目に見えるものから、
におい、湿度、己の細胞、神経、血、涙、
そして、殺気、気配、等々。
「一瞬」との一期一会に連れて行ってくれます。

安心して自発的に、自立していく。

子どもに感じてもらいたいし、僕たちが感じたいのは、いのちの殺気と、己の勇気。

そして、やっとることは教えるとかじゃないもんで、
「信じることの本当の意味」という勇気を毎回、こちらがいただきます。

信じてます、あなたの子どもも。
もしかしたら、家族だからこそ、できないところを、信じています。

僕も子を持つ親として、できないことがたくさんあります。
かわいいし、すべては愛がゆえに、わからんくなる。

そんなとき、自分の原体験として、言葉を超えた何かがたすけてくれました。
勇気づけてくれました。

それは馬だったかもしれない。
それは夕陽だったかもしれない。

言葉になる前の情動を、ぶつけられる、受け入れてくれる何か。

そんな場の提供と、そんな人間でありたい、という願い。

適度な距離感で信じてくれて、
ちょっと辛い時は、気軽に恋バナや愚痴とか言えて、
何の意味も無く一緒にバカみたいに踊ってふざけて、いたずらして、
そんな近所の仲間や先輩がいてくれたら、って。

僕にはあの人がいてくれたから、って人が俺にはいます。

そのために存在する。のみ。

不思議を誰よりも楽しむのみ。

今回もいろいろなものをもらっとるのは、愛も変わらず、こちら、年齢を経た子どもでした。
曇った目が洗われました。

一緒に遊んで笑って食べて、寝て起きて、また遊んで笑って、みんなにあいさつできて嬉しかったです。

それぞれの存在に感謝して。

それぞれの発見と勇気と不思議に敬意をはらって。

みんなと一緒に存在できて感謝です。

今年もありがとう。

来年は、モンゴルだっ!!

佐藤由明
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